「地獄説」を中心としたけもフレ神学の理解を,より容易に行えるようにという目的で作られた,簡易な用語辞典.原則としてどなたでも編集できます.

イエイヌ domestic dog / Canis lupus familiaris

 地獄第八圏第八嚢(謀略者の落ちる地獄)の住人の一人.
 熱心な悪魔崇拝者であったが,賢者カラノスに諭されて悔悛し,その後,当人も自覚せずしてルシファーの野望の阻止に貢献する.

 □における重要なキーマンの一人であり,かつ,□のベースとなったダンテ『神曲』では歴史上の人物も多く登場することから,イエイヌも著名な人物の転生した姿であろうと推測されてきたが,その正体は「地獄説」全作でも明らかになっていない.
 したがって長い間,その正体は謎のままであった.

 ところが後にフレンズ神学者・内藤隆によって大胆な仮説が示され,賛否両論の分かれる激しい議論となった.
 それは「イエイヌ=千利休の生まれ変わり」説である.
http://http://kemochan.com/archives/95221

 □ではルシファーはイエイヌのおもてなしを拒否し,お茶も飲まなかったが,内藤説はこれを
「飲んだが全員吹き出した.
 イエイヌのお茶は雑草と土をお湯に入れただけのものだったからだ」
と解釈し,イエイヌが利休の生まれ変わりであることを示唆した.

 千利休は豊臣秀吉に仕えた,戦国時代の茶人である.
 「わび茶」の完成者として知られ,多くの弟子を抱えた.

 この当時の抹茶は,後の抹茶色として知られる濃い緑色ではなく,色あせた挽き茶のような緑がかった薄茶色だった.
 ゆえにこの色を専門用語で「利休茶」と呼ぶ.
 そのようなものは茶の湯そのものを知らないルシファーには,雑草と土を溶かした苦い味のお湯にしか見えなかったのである.
 その後,「俺が正しいお茶の入れ方を教えてやる」と言わんばかりの行動を利休に対してとるルシファーは,滑稽さを通り越して哀れですらある.

 利休はまた,ただの文化人ではなかった.
 身長180cmを超える大男であり,戦国時代の猛将・福島正則をして
「わしは今までいかなる強敵に向かっても怯んだことはなかったが,利休と立ち向かっているとどうも臆したように覚えた」
と言わしめるほどのツワモノでもあった.
 アムールユダに立ち向かっていくに足る資質は十分なのである.


 では,なぜ利休は悪魔崇拝に傾倒したのだろうか?
 生前の利休は黒を至高のものとし,黒茶碗の作陶に熱心であった.
 おそらく黒を究めんとした結果,地獄に落ちて以後は黒魔術をたしなむようになったのであろう.


 もちろん,イエイヌが利休の生まれ変わりではなく,ただ本当に泥水を相手に飲ませようとした可能性もゼロではない.
 しかし,もしそうであるとするならば,相当程度知的に問題のあるキャラクターであるということになる.
 ポリティカルコレクトレスが強く求められた21世紀初期に,池沼キャラを笑い者にするような展開を商業雑誌で披露するだろうか?
 □を見ても,特に知的に問題があるような描写は存在せず,矛盾が生じる.
 そもそも嗅覚が鋭い犬が,人間の家庭で淹れられているお茶と雑草との違いを嗅ぎ分けることができていないなど,およそ考えられない.
 このように「イエイヌは利休ではない」説は早々に破綻しているのだ.

 この説の問題点は別のところにある.
 電子古文書によれば,内藤はかつて吉崎観音のアシスタントをしていたという.
 つまり観音菩薩の弟子,すなわち仏教徒であると推察される.
 したがってこの説にも観音バイアスがかかっている可能性があるのだ.
 この説が内藤独自の考察の結果なのか,観音菩薩の指導の結果なのかによって,この説への見解も大きく変わるだろう.
 観音菩薩からの影響の程度についての情報が無い,いわばブラックボックス化していることが,この説を巡る紛糾の背景にあるように思われてならない.

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