最終更新:ID:IpWchIDlGQ 2020年02月25日(火) 22:33:26履歴
黒魔術 black magic / fekete mágia
他人に危害を与えるための呪術,または自己の欲求・欲望を性急に満たすために行われる術式のこと.
ただしキリスト教的には,
異教徒の行う宗教儀式
民間伝承的な呪術
その他科学技術
など,キリスト教にとって都合の悪いものほぼ全てに対して貼る,都合の良いレッテルだったという側面もある.
まじないの類は恐らく,人類が文化や文明を手に入れたと同時に自然発生したと思われる.
人類最古の文明とされるメソポタミア文明では,紀元前3000年頃に栄えたシュメール人が魔術の呪文や儀式の方法を楔形文字で記録しているという.
また,北京の周口店遺跡では,原人が住んでいた洞窟の周りに,遺体を弔うためにその周りに赤い鉱粉を撒いているのが発見されている.
古代ギリシアには魔術を示す語として
マゲイア(占星術)
ゴエーテイア(詠唱魔術)
ファルマケイア(薬術)
マレフィキウム(加害魔術)
テウルギア(召喚魔法)
等があり,マゲイアが転じてマジックという語になったと思われる.
古代エジプトでもまた,ミイラ作りなどで知られる様々な宗教儀式が行われたが,ユダヤ教にそれは伝播.
出エジプト後の古代ユダヤ教には大祭司がおり,ヤハウェ神の意思を民と指導者に告げ,年1回贖い日に至聖所に入り,神の前に民を代表して,いけにえのやぎの血を贖いのふたにかけ,全イスラエルの罪の贖いをしたという.
至聖所は当初,幕屋で行われていたが,後にソロモン神殿が建設される.
(日猶同祖論では幕屋=神社の鳥居とするトンデモ説を唱えているが,ここでは割愛する)
これに対してキリスト教は呪術を否定する.
旧約聖書は「霊媒死すべし」と述べ,サムエルの死霊を呼び出したサウルは一族皆殺しとなる.
新約聖書においてパウロは魔術・呪術を悪だと断じ,『使徒行伝』には「魔術師」が酷い目に合う逸話がある.
神以外のもの,神が作ったものによって運命が左右されることはあり得ないという理由により,オカルトや魔術的なものを弾圧しようとかかる.
中世の魔女狩りは,こうしたキリスト教の姿勢と民衆の集団ヒステリーとが混じり合って発生したものである.
ヨーロッパを覆っていた反ユダヤ感情とも結びつき,ユダヤ人弾圧にも発展.
特にイングランドのエセックス州,スイスのジュネーヴ,イタリアのヴェネツィア,スペインとフランスにまたがるバスク地方などにおいて激しい魔女狩りが行われ,15世紀から18世紀までに全ヨーロッパで推定4万人から6万人が処刑されたと推計される.
20世紀になっても,『ハリー・ポッター』を「黒魔術を子どもたちに信じさせるもの」と非難するアモルト司祭のような人物も現れている.
J・K・ローリングがもし15世紀の人物だったなら,とっくに縛り首になっていただろう.
その一方で,錬金術を中心とした魔術がヨーロッパの,特に知識層でブームとなり,
モンテスパン侯爵夫人は1,500人の嬰児を殺害してその血を飲み干し,
カトリーヌ・ド・メディチは美少年の首を刎ねて黒ミサを行っている.
17世紀には『教皇ホノリウスの奥義書』なる魔術書が,フランスで広く流布.
同じく17世紀初頭には,錬金術思想を持つ薔薇十字団の存在が,公然の秘密となる.
□に登場していると推測される黒魔術師コンビは,この頃の,自分の欲望を叶えるために邪法に手を出す連中のイメージで描かれている.
19世紀になると,「黄金の夜明け」に代表される神秘学思想が登場.
魔術は古代エジプトに遡る秘法を解明しようとする試みとなる.
その中でも,フリーセックスや麻薬といった,ヒッピー文化の走りのような行為に耽るアレイスター・クロウリーが悪目立ちして,近代魔術にはその手のイメージが定着してしまう.
それとは別に,おそらくヒッピー文化ないし中二病を深刻に拗らせた人々が,悪魔崇拝を公言するようになる.
上述のモンテスパン侯爵夫人などの個人サークルを除けば,アントン・ラヴェイが1960年代に創始したサタン教会が,おそらく最初であって,その歴史は非常に浅い.
マリリン・マンソンなども悪魔教会メンバーであることを公言しているが,コロンバイン高校銃乱射事件を題材にした映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」内でのインタビューでは,至極真っ当な言動に終始しており,悪魔崇拝は単なるファッションと推定される.
□には熱烈なサタニストも登場するが,そのような存在はレアと言ってよい.
実際,このサタニストも劇中において,賢者カラノスの叱責によって目が覚め,改心する.
少なくとも,ファッションか否かはさておき,黒魔術よりもキリスト教のほうがはるかに多くの人間を殺していることは確かである――と,サタン・ガチ勢の人が言うてはりました.
他人に危害を与えるための呪術,または自己の欲求・欲望を性急に満たすために行われる術式のこと.
ただしキリスト教的には,
異教徒の行う宗教儀式
民間伝承的な呪術
その他科学技術
など,キリスト教にとって都合の悪いものほぼ全てに対して貼る,都合の良いレッテルだったという側面もある.
まじないの類は恐らく,人類が文化や文明を手に入れたと同時に自然発生したと思われる.
人類最古の文明とされるメソポタミア文明では,紀元前3000年頃に栄えたシュメール人が魔術の呪文や儀式の方法を楔形文字で記録しているという.
また,北京の周口店遺跡では,原人が住んでいた洞窟の周りに,遺体を弔うためにその周りに赤い鉱粉を撒いているのが発見されている.
古代ギリシアには魔術を示す語として
マゲイア(占星術)
ゴエーテイア(詠唱魔術)
ファルマケイア(薬術)
マレフィキウム(加害魔術)
テウルギア(召喚魔法)
等があり,マゲイアが転じてマジックという語になったと思われる.
古代エジプトでもまた,ミイラ作りなどで知られる様々な宗教儀式が行われたが,ユダヤ教にそれは伝播.
出エジプト後の古代ユダヤ教には大祭司がおり,ヤハウェ神の意思を民と指導者に告げ,年1回贖い日に至聖所に入り,神の前に民を代表して,いけにえのやぎの血を贖いのふたにかけ,全イスラエルの罪の贖いをしたという.
至聖所は当初,幕屋で行われていたが,後にソロモン神殿が建設される.
(日猶同祖論では幕屋=神社の鳥居とするトンデモ説を唱えているが,ここでは割愛する)
これに対してキリスト教は呪術を否定する.
旧約聖書は「霊媒死すべし」と述べ,サムエルの死霊を呼び出したサウルは一族皆殺しとなる.
新約聖書においてパウロは魔術・呪術を悪だと断じ,『使徒行伝』には「魔術師」が酷い目に合う逸話がある.
神以外のもの,神が作ったものによって運命が左右されることはあり得ないという理由により,オカルトや魔術的なものを弾圧しようとかかる.
中世の魔女狩りは,こうしたキリスト教の姿勢と民衆の集団ヒステリーとが混じり合って発生したものである.
ヨーロッパを覆っていた反ユダヤ感情とも結びつき,ユダヤ人弾圧にも発展.
特にイングランドのエセックス州,スイスのジュネーヴ,イタリアのヴェネツィア,スペインとフランスにまたがるバスク地方などにおいて激しい魔女狩りが行われ,15世紀から18世紀までに全ヨーロッパで推定4万人から6万人が処刑されたと推計される.
20世紀になっても,『ハリー・ポッター』を「黒魔術を子どもたちに信じさせるもの」と非難するアモルト司祭のような人物も現れている.
J・K・ローリングがもし15世紀の人物だったなら,とっくに縛り首になっていただろう.
その一方で,錬金術を中心とした魔術がヨーロッパの,特に知識層でブームとなり,
モンテスパン侯爵夫人は1,500人の嬰児を殺害してその血を飲み干し,
カトリーヌ・ド・メディチは美少年の首を刎ねて黒ミサを行っている.
17世紀には『教皇ホノリウスの奥義書』なる魔術書が,フランスで広く流布.
同じく17世紀初頭には,錬金術思想を持つ薔薇十字団の存在が,公然の秘密となる.
□に登場していると推測される黒魔術師コンビは,この頃の,自分の欲望を叶えるために邪法に手を出す連中のイメージで描かれている.
19世紀になると,「黄金の夜明け」に代表される神秘学思想が登場.
魔術は古代エジプトに遡る秘法を解明しようとする試みとなる.
その中でも,フリーセックスや麻薬といった,ヒッピー文化の走りのような行為に耽るアレイスター・クロウリーが悪目立ちして,近代魔術にはその手のイメージが定着してしまう.
それとは別に,おそらくヒッピー文化ないし中二病を深刻に拗らせた人々が,悪魔崇拝を公言するようになる.
上述のモンテスパン侯爵夫人などの個人サークルを除けば,アントン・ラヴェイが1960年代に創始したサタン教会が,おそらく最初であって,その歴史は非常に浅い.
マリリン・マンソンなども悪魔教会メンバーであることを公言しているが,コロンバイン高校銃乱射事件を題材にした映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」内でのインタビューでは,至極真っ当な言動に終始しており,悪魔崇拝は単なるファッションと推定される.
□には熱烈なサタニストも登場するが,そのような存在はレアと言ってよい.
実際,このサタニストも劇中において,賢者カラノスの叱責によって目が覚め,改心する.
少なくとも,ファッションか否かはさておき,黒魔術よりもキリスト教のほうがはるかに多くの人間を殺していることは確かである――と,サタン・ガチ勢の人が言うてはりました.
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