けもフレ神学用語辞典 - ケルビム Cherub
ケルビム Cherub / Kerub

 第2位の上級天使.
 「智天使」と和訳される.
 旧約聖書では人面または獣面で翼をもった超人的存在であり,神の玉座や聖なる場所を守衛すると信じられている.
「命の木に至る道を守るために,エデンの園の東にケルビムと,きらめく剣の炎を置かれた」
(旧約聖書「創世記」3章 23節〜24節)

 ただし美術ではしばしば,翼の中に体を隠した,頭と翼だけの幼児に描かれる.
 これはキューピットとの混同が原因と見られる.

 ケルビムのルーツはアッシリアの神殿守護者「クリーブ(kurību)」と考えられている.
 このクリーブは人面,雄牛の身体,ライオンの尾,翼を持つ姿だった.
 これがヘブライ語で kĕrûḇ となり,その複数形がケルビム kĕrûḇîmである.

 東方正教会では,おそらくは東ローマ時代から「ケルビムの賛美歌」(ケルビコン)が存在し,17世紀の作曲家ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカベウス」や,18世紀の作曲家モーツァルトの「テ・デウム」にもケルビムは登場する.
 同時代のベートーベンの第九交響曲のフィナーレででは,
"und der Cherub steht vor Gott!"
と,ケルビムに言及したシラーの詩が歌われる.
https://www.youtube.com/watch?v=YTfUpuId-Sw?t=2m37...

 20世紀には,諸星大二郎の漫画「生命の木」(『妖怪ハンター』所収)の中に「けるびん」の骨が登場する.



 そして21世紀.
 「□地獄説 外典」によれば,思わぬ姿でケルビンが登場したとしている.

 これからもケルビムは様々に形を変えて,物語に登場するに違いない.