けもフレ神学用語辞典 - 罪 sin
罪 sin / Bűn

 規範や倫理に反する行為.
 □神学においては特に宗教的な意味合いが強く,わけてもキリスト教的な「罪」の概念を基礎として論理展開が行われている.
 その代表的な「七つの大罪」については映画「セブン」にも列挙されているが,「地獄説」ではダンテの『神曲』をベースとして,□は9つの罪の圏を巡る物語であると見破っている.

 もちろん,たとえばイスラームにおける一夫多妻制がキリスト教圏では犯罪となるように,「罪」の定義は時代や地域によって異なることは言うまでも無い.
 中世ヨーロッパでは笑うこと自体が罪と見なされ,記号学者ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』では,「笑い」の重要性を説くアリストテレス「詩学」第二部を禁書としていることが描かれている.

 本邦では上代の「天つ罪・国つ罪」に始まって,仏教や儒教,明治以降のキリスト教的な禁欲主義など,様々な「罪」の概念が取捨選択されてきたが,結局のところ,
「ムラ・世間からどう思われるか?」
が罪の意識を形成する上で重要な役割を果たしている.
 イスラーム学者の小滝透は,
「一神教徒は神の目を畏れるが,日本では世間の目を畏れる」
と述べている.