けもフレ神学用語辞典 - 黙示録 Revelation
黙示録 Revelation / A jelenések könyve
『ヨハネの黙示録』『ヨハネによる黙示録』『神学者聖イオアンの黙示録』『使徒聖ヨハネ黙示録』などとも呼ばれる.
『新約聖書』の最後に配された聖典であり,同書の中で唯一預言書的性格を持つ.
その預言の内容は,
「七角七眼の子羊が巻物の七つの封印を次々に解くと,地上で戦争や飢餓などが発生.
第七の封印が解かれると,七人の天使に七つのラッパが与えらる.
天使がラッパを吹くと,さらに激しい災いが起こり,地上の悪が滅びるとともに世界が終末を迎える.
その後,イエスと殉教者が支配する王国が千年続くが,封印されていたサタンが再び出現.
しかし天から火が降り注いでサタンは滅ぼされ,イエスによる最後の審判が行われる.
善人は祝福されて神の国へ行き,悪人は永遠の罰を受ける.
新しい天と地,新しきエルサレムが現れる」
というもの.
正統派ユダヤ教徒が,国家としてのイスラエルを認めようとしないのも,この預言にあるように,新しきエルサレムはこの地上に存在するものではなく,神の国,天界に存在するものだと認識しているからである.
,『黙示録』の成立はドミティアヌス帝時代の紀元96年周辺であるとする説が有力.
ユダヤ教と原始キリスト教が興った紀元前200年〜紀元200年頃には,未来を預言する書物が多く書かれており,それらは「黙示文学」に分類されている.
その解釈と正典への受け入れを巡り,多くの論議があったが,397年に開催されたカルタゴ会議において,『ヨハネの黙示録』他26文書が正典として認められた.
逆に言えば,正典とは認められていない黙示録も,多く存在し,その幾つかは現代まで伝わっている.
「□地獄説」において言及されている黙示録は,ルシファーによって記されたものとされている.
であれば,それは当然『使徒聖ヨハネ黙示録』とは別のものであることから,そうした偽典の黙示録を指していることが自明である.
その点紛らわしいので注意されたし.